ワンちゃんを飼っていくうえで飼い主さんが困る問題行動。
その中でも特に多いのが「無駄吠え」です。
しかし、ワンちゃんが吠えるのには必ず理由があります。(前回のブログで紹介しています。)
知らない人が来た、遊んでほしい、おなかすいた…などなど。
とはいえ、ワンちゃんが吠える声はよく響いて近隣の迷惑にもなりかねません。
ワンちゃんにとっては意思や主張があっても、飼い主さんにとっては無駄吠えとされてしまうのがほとんどだと思います。
ワンちゃんと快適な生活をしていくためには吠えることを減らしていくことが重要です。
「吠え」を減らすのは困難?!
多くの問題行動の中でも「無駄吠え」が最も飼い主を悩ませるものの一つです。
それゆえに直したいと思う飼い主さんも多いと思います。
しかし!
実はこの吠えることを減らすのは非常に難しいトレーニングの一つです。
手順自体は難しいものではありませんが、長い期間が必要です。
吠えを減らしたいと思っている飼い主さんはぜひ、根気をもって臨んでいただきたいです!
では、吠えを減らす方法をご紹介いたします。
吠えない環境を作る
この方法はまだワンちゃんを飼いたての方向けの方法になります。
冒頭でもお話ししたように吠えるのには必ず理由があります。
それらに触れないような環境を作ることが吠えないようになる方法です。
まず初めにやっていただきたいのはワンちゃんに自分の縄張りを作ってあげることです。
特に警戒吠えに有効で、自分の縄張りが家全体になってしまうと外から人が来た時に吠えるようになってしまいます。
ケージやクレートなど、ワンちゃんが守るべき範囲を決めてあげることで安心できる場所ができ、警戒吠えを減らすことができます。
もう一つはこまめなコミュニケーションをとることです。
なんだそんなことかと思うかもしれません。もうやってるよと。
それはもしかしてワンちゃん主体になっていませんか?
おやつが欲しいとやってきたらおやつをあげ、遊んでほしいとおもちゃを持ってきたら遊んであげ、とこれを続けてしまうと立場が逆転してしまい、要求吠えが激しくなってしまう要因になるに加えて、いうことを聞きにくくなってしまいます。
ワンちゃんとコミュニケーションをとるときは、必ず飼い主さん主体でとるようにしましょう。
これに関しては飼い始めでなくても効果的なので、ぜひやってみてください。
無視をする
この方法は主に「要求吠え」に有効です。
おやつが欲しいとか散歩に行きたいとかで吠え始めたらいったん気にしないふりをします。
そして、吠えなくなった瞬間を狙って褒めてあげます。この時おやつをあげるとより効果的です。
これを繰り返していくと、「吠えなくなるとほめてもらえる!」ということを学習して徐々に吠えなくなっていきます。
ただし、注意点があります。
この方法はそれなりの期間を要します。
そして「無視をする」過程で吠えがエスカレートする期間があります。
これを「消去バースト」と言い、このタイミングであきらめて構ってしまうとより大きく吠える状態で定着してしまいます。
そのため、吠えが大きくなっても我慢をしておとなしくなるのを待ちましょう。
状況や環境に慣れさせる
こちらは汎用性が高い方法です。
以前インターホンの音で警戒吠えが発生するようになるというお話をしました。
警戒吠えをなくすにはインターホンの音が警戒すべき音ではないことと、安心感を与えることが必要になります。
まず行うことは、インターホンの音に慣れることです。
インターホンの音を録音し、小さい音で鳴らします。
最初のうちは吠えるかもしれませんが、音を聞いても吠えなくなった瞬間を狙ってほめてあげます。
そして、吠えなくなったら少し大きく、吠えなくなったら少し大きくを繰り返していきます。
吠えなくなってきたら、インターホンの音が鳴ると同時にケージなどに誘導できるようにするとより良いです。
安心できる空間があるだけで吠えることはぐっと減るかと思います。
行動から理由を引き離す
少し変な言い方になってしまいましたが、この方法は「興奮による吠え」と「不安による吠え」に有効です。
おやつを取りに行くときや散歩でリードを取るとき、興奮して吠えることよくありませんか?
もしくはコートを着てカギを持った時にクンクンと不安がって鳴くことはありませんか?
これらは「おやつやリードを取りに立つ→興奮」「コートを着る、鍵を持つ→不安」と連鎖し、それぞれの行動がトリガーとなって吠えにつながっているのです。
この吠えをなくすにはその行動をトリガーでなくすことです。
「おやつ」や「散歩」という言葉がトリガーになっていることがあります。
日常的に「おやつ」や「散歩」ということばを使い、特別感をなくしていきましょう。
「コートを着る」「鍵を持つ」ことがトリガーになっている場合はコートを着てまた戻る、鍵を持ってまた戻るを繰り返します。
すると「コートを着ること」や「鍵を持つこと」が「飼い主が出ていくという不安」から切り離されて、吠えることは少なくなっていくでしょう。
言葉や行動が必ずしもその通りに動くものではないという認識を学習させておくことで、不安にさせてしまったり、無駄に興奮させたりということは減っていくでしょう。
安心感を与える
警戒吠えにしても不安からくる吠えにしても不可欠なことは安心感を与えることです。
警戒する対象がなくなっても自分の縄張りに見知らぬ人が入ってくると不安に思いますよね。
それにコートやカギを取ることと出かけることを分離できても、出かけてしまう不安は残ったままです。
これを解決するにはワンちゃんに安心できる場所を作ってあげることです。
一番わかりやすいのはクレートやケージの中でしょう。
狭い空間に追いやってしまうことはかわいそうにも思えてしまいますが、実は犬にとって暗い場所や狭い場所で落ち着く動物なのです。
なので、常日頃からクレートやケージに入る練習をしておけば、安心できる場所を確保できるというわけです。
その他、ソファの一角や部屋の角にクッションを置いておくなど、専用のスペースを作ってそこが安心できる場所だとおぼえてもらえればそれでも良いでしょう。
守らなければいけないのは、絶対不可侵ということです。
誰かが入ってきたら縄張りを荒らされたと思われちゃいますからね。
まとめ
吠えを減らす方法をお伝えしていきました。
もちろんほかにもたくさんの方法がありますし、ここで紹介したことが正解というわけではありません。
ただ一つ間違いないのはコミュニケーションをとりながら行うということです。
トレーニングをするにも信頼関係は欠かせないですからね。
ワンちゃんと日々コミュニケーションを重ねながらトレーニングをしていきましょう!
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