シェットランド・シープ・ドッグを代表に様々な牧羊犬で見られる「マール」という色。
「ブルーマール」や「シルバーマール」とも呼ばれる毛色は非常に珍しい種類です。
今回はそんなほ他の毛色とは一線を画す「マール遺伝子」についてご紹介します。
【シェルティの毛色の中でも珍しいブルーマールとは】
シェルティと言えば茶色が大半を占める子をイメージするのではないでしょうか。
こんな毛色は「セーブル」と言われ、黒の遺伝子を持たない純粋な茶色の「ピュアセーブル」と、黒の遺伝子を持っていて、成長とともに黒が出てくる「ヘテロセーブル」の2パターンがあります。
その他、「トライカラー」、「ブラック&タン」、「ブルーマール」の5種類がシェルティの認められている毛色です。
この中でも「ブルーマール」という色は特殊で、マール遺伝子を持つ犬種にみられる色です。
全体的にグレーで斑点模様がついたような毛色になります。
大理石のような模様と言うとわかりやすいかもしれません。
【マールカラーが貴重な理由】
貴重であると同時に危険が潜むマール
多くの牧羊犬で見られる「マール」ですが、貴重なのには理由があります。
毛色は遺伝子によって決定され、その中でも「マール」を決定する遺伝子を「マール遺伝子」と言います。
マール遺伝子は簡単に言えば色を退色させる働きがあって、遺伝子が優性(顕性、MM・Mm)であればマールの子が生まれ、劣性(潜性、mm)であればマールではない通常の毛色の子が生まれます。
ところが、このマール遺伝子がほかの遺伝子と違うところは優性ホモ(MM)の時です。
優性ホモ(MM)で生まれた子は死んでしまう確率が非常に高いのです。
「ダブルマール」と言われ、運よく生きることができたとしても様々な障害を抱える可能性が非常に高いのです。
半致死遺伝子ともいわれ、繁殖の際にはかなり慎重に扱わないといけない種類です。
かけ合わせてはいけないマール同士
最初に言っておきます。
マール同士を掛け合わせることは禁忌とされています。
しかし、マールの子が高値で流通することから繁殖させようとする人たちがいました。
マールを効率よく繁殖させようとするとマール同士の子を掛け合わせることになりますよね。
マール同士でかけ合わせれば、50%の確率でマールの子が生まれることになります。
そしてそ25%がダブルマール、25%が通常色になります。
マール同士掛け合わせたときの組み合わせ。50%がマール、25%がダブルマールと通常色。
この組み合わせでは致死遺伝子が発現してしまう可能性がある。
マール同士では致死率の高いダブルマールが生まれてしまうため、禁止されているのです。
マールを繁殖させたいというときにはマールの子と通常色の子を掛け合わせるようにしましょう。
こちらの組み合わせではマールと通常色が50%ずつとなる。この組み合わせであればダブルマールが生まれる可能性は非常に低い。
ただし、マールだとわかりにくい、判別がつかない隠れマールの子もいるので慎重に行わなければなりません。
【まとめ】
いかがでしょうか。
大理石のような模様を持つマールの子は非常に珍しく人気の高い子です。
しかしその反面、障害が出やすかったり、繁殖の際には危険を伴う種類でもあります。
ちなみに、ダックスもマール遺伝子を持つ子がいますが、「マール」ではなく「ダップル」と名前を変えます。
何とも不思議ですね。
コメント