かつて犬は番犬として人間との共生生活を送ってきました。
さらに遡って祖先のオオカミの時代では吠えることはコミュニケーションの一環です。
そのため、本来は犬も吠えることは感情や情報を伝える大切なコミュニケーションの手段なのです。
「無駄吠え」は無い?
ワンちゃんの飼い主さんが挙げる代表的な問題行動の一つが「無駄吠え」です。
ところがこの無駄吠えというのは飼い主側がそう認識しているだけで実際はすべて意味のある行動なのです。
冒頭でもお話ししましたが、吠えることはコミュニケーションの一環であり、情報や感情を伝える上で欠かせないものなのです。
しかし、現代では室内飼育が主となり、近隣住民とのかかわりを考えるとむやみやたらに吠えることはよしとは言えません。
吠える理由が何なのかを理解して、それぞれに合った対策をしていくことが吠えを減らしていくことにつながっていくのです。
それでは現代社会での犬の「吠え」の理由は何なのでしょうか?
吠えの理由と種類
①警戒吠え
例えば、インターホンが鳴って宅配業者やお客さんが来た時や外で大きな音がした時など、外から警戒しなければいけない対象ができたときに吠える行動を「警戒吠え」と呼びます。
「警戒吠え」は威嚇するように鋭く大きい声で吠えます。
吠えるようになる原理はこんな感じです。
犬の目線があるとイメージがつきやすいと思うので、()書きで並行して書いていきます。
例)
1.インターホンが鳴り、配達員が入ってくる(知らない人が入ってきた!)
2.荷物の受け渡しやハンコなどのやり取り(警戒して吠える)
3.やり取りが終わって配達員が帰る(吠えて追い返してやったぞ)
この一連の流れで、ワンちゃんは自分が吠えたから人が帰っていったと認識をして回数を重ねていくごとに吠える声がどんどん大きくなっていきます。
最終的にはインターホンの音を聞いただけでも吠えるようになってしまいます。
②要求吠え
犬が要求や主張があるときに吠えるもので、最初は控えめに、段々大きく吠えるイメージです。
おやつが欲しい、散歩に連れてってほしい、など要求があるときに吠えます。
こちらは意外と厄介で、この要求吠えに応え続けてしまうと吠えが強くなることに加えて、じぶyんが吠えたからおやつをくれた、散歩に連れてってくれたと認識して、飼い主とワンちゃんの立場が逆転してしまいます。
段々と言うことを聞かなくなってしまうかもしれません。
③不安や寂しさからの吠え
不安や寂しさを感じているときに吠えるもので、クゥーンクゥーンと細く高い声で鳴くのが特徴的です。
とくに多いのは飼い主さんが仕事や買い物などで出かけた後、ワンちゃんは置いて行かれたと思ってクゥーンと鳴くのです。
「分離不安」と呼ばれるもので、飼い主さんから離れてしまった不安から帰ってくるまで鳴き続けたり、破壊行動につながってしまう恐れがあります。
出かけるときに扉の向こうから聞こえてくる声を聞くと思わず出かけるのをやめたくなりますよね。
④その他
ほかにも興奮したときや遠吠えなんかも吠える理由です。
「おやつ」や「散歩」に反応して興奮して吠えたり、遠くで聞こえた遠吠えに反応してそれに返す形で遠吠えしたりします。
パトカーや救急車のサイレンが遠吠えの周波数に似ていることからこれに呼応するワンちゃんもいるようですね。
まとめ
無駄吠えといってもこれだけいろんな種類があることがわかったかと思います。
それぞれのシチュエーションに対して、それに見合った対策が必要なのです。
これらの「無駄吠え」を無くしていくことは容易なことではありません。
何しろ犬にとってはコミュニケーションの手段の一つなのですから。
しかし、現代社会において人間と生活していく上ではいわゆる問題行動と言われ、できるだけなくしていかなくてはいけません。
犬と人間の共生社会を実現していくためにも、吠えだけでなくいろんな問題行動について認識していきましょう!
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