吠えるのには理由がありますが、現代社会では「問題行動」にもなりかねない行動の一つでもあります。
最も室内飼育がメインとなっている今では吠えることはそれほど必要なことではありません。
「吠え」をやめさせる方法を紹介
①無視をする
この方法は主に「要求吠え」に有効です。
おやつが欲しいとか散歩に行きたいとかで吠え始めたら無視をします。
吠えなくなった瞬間に褒めてあげます。この時おやつをあげるとより効果的です。
できれば簡単なコマンド(マテやオスワリなど)をしてからおやつをあげるとより良いでしょう。
これを繰り返していくと、「吠えなくなるとほめてもらえる!」ということを学習して徐々に吠えなくなってきます。
この方法、どっかで聞き覚えがありますね?
そうです、オペラント条件付けです。
この条件付けを用いて「吠える」ことを減少させています。
ただし、注意点があります。
この方法はそれなりの期間を要します。
そして「無視をする」過程で吠えがエスカレートする期間があります。
これを「消去バースト」と呼びまして、このタイミングであきらめて構ってしまうとより大きく吠える状態で定着してしまいます。
そのため、吠えが大きくなっても我慢をしておとなしくなるのを待ちましょう。
②状況や環境に慣れさせる
こちらは汎用性が高い方法です。
以前インターホンの音で警戒吠えが発生するようになるというお話をしました。
警戒吠えをなくすにはインターホンの音が警戒すべき音ではないことと、安心感を与えることが必要になります。
まず行うことは、インターホンの音に慣れることです。
録音をした音をまずは小さい音から始めて慣らしていきます。
吠えなくなったら少し大きく、吠えなくなったら少し大きくを繰り返していきます。
次第にインターホンの音と吠えることの繋がりがなくなり、段々吠えることはなくなっていきます。
③行動から理由を引き離す
少し変な言い方になってしまいましたが、この方法は「興奮による吠え」と「不安による吠え」に有効です。
おやつを取りに行くときや散歩でリードを取るとき、興奮して吠えることよくありませんか?
もしくはコートを着てカギを持った時にクンクンと不安がって鳴くことはありませんか?
これらは「おやつやリードを取りに立つ→興奮」「コートを着る、鍵を持つ→不安」と連鎖し、それぞれの行動がトリガーとなって吠えにつながっているのです。
この吠えをなくすにはその行動をトリガーでなくすことです。
「おやつ」や「散歩」という言葉がトリガーになっていることがあります。
日常的に「おやつ」や「散歩」ということばを使い、特別感をなくしていきましょう。
「コートを着る」「鍵を持つ」ことがトリガーになっている場合はコートを着てまた戻る、鍵を持ってまた戻るを繰り返します。
すると「コートを着ること」や「鍵を持つこと」が「飼い主が出ていくという不安」から切り離されて、吠えることは少なくなっていくでしょう。
言葉や行動が必ずしもその通りに動くものではないという認識を学習させておくことで、不安にさせてしまったり、無駄に興奮させたりということは減っていくでしょう。
④安心感を与える
②と③を実行するにあたって不可欠なことは安心感を与えることです。
警戒する対象がなくなっても自分の縄張りに見知らぬ人が入ってくると不安に思いますよね。
それにコートやカギを取ることと出かけることを分離できても、出かけてしまう不安は残ったままです。
これを解決するにはワンちゃんに安心できる場所を作ってあげることです。
一番わかりやすいのはクレートやケージの中でしょう。
狭い空間に追いやってしまうことはかわいそうにも思えてしまいますが、実は犬にとって暗い場所や狭い場所で落ち着く動物なのです。
なので、常日頃からクレートやケージに入る練習をしておけば、安心できる場所を確保できるというわけです。
その他、ソファの一角や部屋の角にクッションを置いておくなど、専用のスペースを作ってそこが安心できる場所だとおぼえてもらえればそれでも良いでしょう。
守らなければいけないのは、絶対不可侵ということです。
誰かが入ってきたら縄張りを荒らされたと思われちゃいますからね。
まとめ
吠えを減らす方法をお伝えしていきました。
もちろんほかにもたくさんの方法がありますし、ここで紹介したことが正解というわけではありません。
ただ一つ間違いないのはコミュニケーションをとりながら行うということです。
トレーニングをするにも信頼関係は欠かせないですからね。
それではまた次回もよろしくお願いします。
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